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追悼式

今日はICCにて行われた、三上晴子さんの追悼イベントに行きました。

三上先生といえば、私が多摩美の情報芸術に学外から大学院入試を受けようと決めて、私の担当教授森公一先生に報告したら、開口一番「メディアアートのパイオニアの三上晴子さんがいるところだね」と言われた事を思い出します。
恥ずかしながら無知な私は三上晴子という名前も知らず、ポカンとしてしまったので、森公一先生に彼女がどんなにすごいアーティストであるかをその後熱く語らせてしまいました。

私が最初多摩美に行きたいと感じたのは、卒業制作展を見に行った時に見た、他の大学になかった純粋なパワーと嫌みのないスタイリッシュさ、それだけのただのフィーリングでした。
行きたいと決めてから、多摩美の先生方の著書を読み始めたくらいで、失礼なくらい無知でした。(今でも無知) そんな本とか読んでたって、結局入学して実際に通い始めるまで、多摩美には、メディアアートの核をなすアーティストが、先生や卒業生として溢れていることは全然ピンときていなかった。それは社会的な評価は勿論、このアート業界の人間としての人格の源であるという意味で。

今思い出したけど、大学院入試の時、自分のこれまでの制作活動をプレゼンする面接で、私はすごい緊張してる中、ある先生にちょっと厳しめにツッコミを喰らった時、三上先生に優しくフォローしてもらいました。落ちるかも、と絶望しそうになったけど、三上先生の偽りない暖かさに救われた記憶があります。

入学後は三上先生の研究室所属で無かったので、たまにしか接点が無かったけれど、それでも印象に残っているのは、スッキリとした意思表示と優しい笑顔、いつもスタイリッシュでカッコいい姿です。人に対して決して傲慢にならず、生徒であろうとひとりの人間として尊重する姿勢です。これは私の憧れた多摩美の情報芸術コースの空気を体現する姿だったと思います。今思えば、私がNYで出会った大好きな人たちに通じます。

昨年の「欲望のコード」しか直で見た作品がないのだけど、あの体験は、今でもものすごく強いものです。展示室を出た後、「三上先生は本物だ」と独り言を言ってしまったくらいパワーに圧倒された。

今日の追悼式では、三上先生の若い頃から知っている方から最近の作品に関わった方まで色々交えて、沢山のエピソードと通して彼女の人物像を語って頂きました。三上先生が日本での評価が追いつかないと知ってニューヨークに渡り、廃墟で作品を作っていたパワフルで自由な時代の話を初めて聞いたり、大学で教鞭を取りながら学生を見つめる母のような眼差しの話に共感したり、近年の作品への研ぎ澄まされたアーティストとしての人物像を知ったり。
自分の過去の経歴や作品を語らなかった三上晴子の生き方を、私自身の今までや今後に重ねながら、話を聞きました。

三上先生、突然居なくなってしまって、まだみんな茫然としてる。



ICCという空間で、多摩美関係者多数の追悼式、懐かしさとともに、何で私はニューヨークに行ったのかを改めて考えた。

多摩美には、スゴイ人がいっぱいいるけど、私はここに必要とされていないと思ったし、それでも東京でメディアアートで成功したいなら食い込んでいかなきゃとも思った、思えば思うほどしんどかった。
それを東京で、この狭い狭い(メディア)アート業界で、私にはどうしたってやれないと感じて、息苦しくなってニューヨークへ出た。みんな仲良しこよしで、そこに上手く馴染めない自分に飽き飽きしてたし、ある意味拗ねてたのかも。

人に無理に付き合わず、その人が今必要でないなら、新しい出会いに向かえばいいんだよって、ニューヨークの最初の頃に教えて貰ったことがある。楽な人間と付き合えってことじゃなくて、自分の目指す方向に結び付く人とちゃんと出会って付き合えってこと。そして本当に色んな種類の人間がいるってこと。今、私も本当にそう思ってる。

自分のメリットや権利を、自分の手で守るのが責任ってものだと思う。

さて、そうして帰ってきた今、ICCや多摩美、おなじみのキーワード、この相変わらず狭い世界をどう感じ、これからどう生きようとしているか?

結局このICCとか多摩美とか言うフィールドに食い込むのは生理的に無理っぽい。
日本という国の心の狭さに、自分が侵されていく感じも、正直結構しんどい。

感じることは同じだけど、でもそこで八方塞がりだと思うんじゃなくて、違う攻め方を、別なフィールドに属して、変な角度から奇襲してぶっ叩く方法を、具体的にポジティブに考えたい。

しかしまあ、正直結構しんどい。
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